ラベル ハイブリッドカー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ハイブリッドカー の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年7月3日水曜日

ホンダCR-Z 「遅かれ早かれスポーツカーはHV。先見の明だけでも惚れる。」

  会社員のCさん(27)の愛車は「ホンダCR-Z」だ。発売1ヶ月で10000台の注文があった話題のクルマだったということもあり、今では2年落ちの程度の良い中古が150万円以下で買えてしまう。今狙い目のとてもお買い得なクルマだ。Cさんもクルマにあまりコストを掛けたくないので、中古で購入した。廉価グレードのベータレーベル・約2万km走行で140万円だった。

  このクルマは一般には「スポーツカーには程遠い内容」などと酷評されたりしている。しかしCさんはこう言う「クルマ評論家ほど当てにならないものはない。彼らが酷評する『スポーツカーじゃないクルマ』は実際に所有すると楽しいクルマが多い。」
50歳代以上が多数を占めるクルマ評論家の「価値観」など、Cさんのような若くて優秀な世代にはまったくと言っていいほど響かない。

  実際にクルマを取り巻く環境が大幅に変わったとされる2000年代前半のクルマ評論を今紐解いてみると、そのあまりに「空っぽ」の内容は酷い限りだ。試しにアマゾンで価格1円で並んでいるような本を買って読んでみるとよくわかる。割と好きなライターの著作物だからといって追いかけて読んでみると、その痛すぎる内容に絶句したりする。別に彼らが特別に悪いわけではない、技術発展の目覚ましい分野の著作物はどうしてもこうなってしまうようだ。

  それでも当時の若者の為のクルマをことごとく叩きのめした2003年頃の評論はその痛々しさがかなり「強烈」だ。トヨタが若者向けに発売した「アルティツァ」やヤマハ製の190psのNAエンジンを搭載した「カローラ」(フィールダー・ランクス)などを、発売中止になったスカGやRX-7、シルビアを引き合いに出して「酷評」するものがとても多い。今の感覚からすると、シルビアはともかくスカGやRX-7と比較するクルマではない。それにアルティツァや高性能カローラは200万円程度の価格設定はかなり魅力的に思える。当時はマークⅡやスカイラインがまだまだその価格帯以下のクルマだという感覚があったようなので割高に感じるのも無理はないが・・・。

  10年前の「狂騒」はもう評論家の間ではとっくに過去のモノになってしまったようだ。今もなお何の反省もなくトヨタ86やらホンダCR-Zに牙を剥くライターが後を絶たない。ハッキリ言ってこんな評論は、これからクルマ人生をスタートさせる若者にとっても「百害あって一利なし」だ。いったい過去のどのクルマを持ってきたらトヨタ86の性能に対抗できるというのか? せいぜいマツダRX-7やRX-8といった世界的なスポーツカーと比べない限り、トヨタ86が評価を落とすことはないだろう。それでも多くの若者がそんな根拠無しの評論を読んで「シルビア」だの「スープラ」だのといったかつてのスポーツカーに、最初から手を出すケースがあるようだ(もちろん状態の良いモノは少ないから、乗りたい人は焦るのだろうが・・・)。

  Cさんは思う。シルビアやFD(RX-8)の中古車を150万円で購入したとしても、状態の良いものはほとんど無いので、満足に走らせられないだろうし、ちょっと走れば何らかのトラブルに見舞われてしまう可能性が高い。だったらその150万円を使って、もっと程度の良いマツダロードスターやCR-Zを買ったほうが絶対に「効用」は高いし、維持費もかなり安く済むだろう。無理してFDを購入しても、まったく運転を楽しめなくて「モニュメント」と化している人も多い。この「置物」に数百万円を費やすような若者に幸せなカーライフが訪れるとはとても思えない・・・(私の知り合いにも5年でたった3000キロしか走っていない丸目のインプSTIを所有している方がいる)。

  なぜカーメディアはいつまでも古くからの読者に媚びてFDやらインプSTIやらにこだわるのだろうか? そしてどの口で「クルマ離れの原因はメーカーや行政にある」などと放言するのだろうか? 明らかに「若者のクルマ離れ」を招いているのは、あなた方の「非社会性」「非常識」の塊のような評論が、若者達に誤ったクルマ文化を伝えたという認識はあるのだろうか・・・。

  CR-Zやロードスターの性能に不満を感じる道なんて日本を走る限りはまずあり得ないだろう。ATでもパドルシフトやスポーツモードが付いているのだから、低速ギアできっちりとエンジンを回してあげれば、R35GT-Rにだってそう簡単には煽られないだろう。しかも峠に入ってしまえば、300ps以上のクルマよりも断然に楽しく走れる。もしこのクルマがつまらないという人がいるならば、クルマの楽しみ方が良く分かっていないのではないかと思う。そういう大切なことをしっかりと伝えることがカーメディアの使命だと思うのだが・・・。



2013年6月10日月曜日

トヨタ・プリウス 「イケメンならクルマは何だって構わない」

  日本で一番たくさん走っているクルマであろうトヨタのプリウスを、「プライベートカー」として「敢えて」買おうとする人(統計上は相当な数だ)には、それなりの「計算」があるのではないかと思う。それが月に100kmも乗らないユーザーだったならば、相当の「深謀遠慮」があるのでは・・・。

  デジタルコンテンツ開発会社を経営するAさん(30)は、大学卒業後3年間は大手の保守管理会社でSEを勤め、4年前に独立した。現在のSEは「空前のバブル」で大量採用・大量退職当たり前だ。能力の有無などはまったく問われず、大抵は3年目で事実上の「定年」を迎え、給料の安いフレッシュマンに職場を譲る羽目になる。そんなことは入社時から十分にわかっていたので、Aさんは3年後の独立に向けて着々と準備を整えていた。

  それでも、いざ「起業」となると自分の力で仕事を獲ってくるツラさは尋常ではなく、まったくもって順風満帆とはいかなかった。試行錯誤を繰り返し、アプリ制作に軸足を移して当面の売上を確保した。去年辺りから受注は捌ききれないほどに舞い込むようになり、かつての同僚たちを助っ人として雇い入れて乗り切ってきた。下請け中心なので、収益は割に合わない水準でしかなかったが、徐々にチームとして大きな仕事ができる組織が成り立っているのを実感しつつあった。

  その後、急成長を遂げていたゲーム産業で自主コンテンツの開発を本格化させると、まもなく事業は完全に軌道に乗った。SEの時代とは比べものにならないほどの高収入に浮かれて「高級輸入車」の購入も頭を過ったが、SE時代に大量に読んでいたビジネス書の一節が心に刺さっていて思いとどまった。いま自分がメルセデスに乗り始めたら、一緒に頑張ってくれた仲間達はどう思うだろうか? いま仲間達に疑念を抱かせるようなことをして、みんな離れていってしまったら、自分はただの愚か者だ・・・。

  今、Aさんはオフィス拠点の移転を考えている。最有力候補地は過疎化が進む徳島県だ。急峻な四国山地に阻まれて地デジ受信環境がよくない場所が点在し、この地では光ファイバー網の整備が地方にしては進んでいる。今ではIT企業にとっての好立地として注目を浴びていて、転入する企業も多い。大都市・神戸まで高速道路で1時間程度の場所なので、それほどの僻地というわけでもない。もっともITビジネスなので、社員全員がその地へ移転する必要はないのだが(そもそもオフィスもいらない・・・)。

  週末は神戸までドライブすることもあるだろうからクルマも必要だ。高速道路を使うので軽自動車ではちょっと都合が悪い。Aさんはトヨタのプリウスを買う事にした。徳島では軽自動車ばかりなので、プリウスに乗ることへの抵抗は意外に少ない。そもそも高級車など乗っていたら完全に浮いてしまう。「燃費」などは完全に後付けの理由でしかない。大都市圏の密集住宅地では繁殖しすぎて「殺風景」以外の何者でもないプリウスだが、徳島の田園風景には「近未来」デザインが良く映えるだろう・・・。「乗る場所を自分で判断できない『センスのない人』は絶対に成功しない」Aさんはそう確信している。



(この話はすべてフィクションです。実在の個人・団体とは一切関係がありません。)


↓やはり「イケメン」にはプリウスが似合う・・・。