あえて乱暴なことを言ってみますが、「最近の欧州車にはどうも明確な存在意義が見当たらない!」です。自動車雑誌を見ると相変わらず美麗秀句でベタ褒めされていますが、やたらと多くのモデルを断続的に発表しているメルセデスやBMWを見てると、価格的にはかなりリアリティがあって喜ばしくても、肝心のクルマが「???」で全くと言っていいほど美点が見えてこないです。とりあえず「良し悪し」は多分に個人の感覚的なものだったりしますが、好き嫌いを超えてそのクルマが「力作」かどうかという価値判断においては、どうも水準が低くなっているように思えるのです。ドイツ人は一体いつからクルマに情熱を無くしてしまったのか?
あくまで私の推測に過ぎないですが、この10年で新車販売が半減してしまったドイツを始めとした欧州で働く自動車産業の人々の気持ちを推し量ってみると、クルマがいまいちなのもなんとなく合点がいきます。「外貨獲得の手段」としての工業製品なんてものはそんなものかもしれません。アメリカではもう10年以上も欧州車は売れていないし、アジア人が使うだけのクルマをマジメに作ってられるか!なんて白人優越主義な感情すらも多分にあるでしょう。とにかく今や欧州メーカーが最も熱視線を送る市場は中国です。もし中国が欧州車を買わなくなればフランス・イタリア・ドイツでなんとか生き残っている伝統のメーカーは全て滅び去るでしょう。よって欧州メーカーが次々と出す多彩なラインナップが想定している市場はほぼその全てが中国です。日本で売られている輸入車で中国では手に入らないものはBMWアルピナD5くらいなものです(並行輸入すればOKですが)。
メルセデスA、CLA、GLAの各モデルを見て、まともな経済感覚を持っている人ならば、これらが中国でのメルセデスによるVW追従作戦の本格的なラウンチを目指す基幹モデルであることがわかるはずです。もはや中国に完全に軸足を移しているアウディやBMWの全ラインナップを見渡しても、個人的には欲しいクルマなんてまず見当たらないですし、これらのブランドはもはや日本での使用をほとんど考慮していないと言っていいかもしれません。また一部の国産車についても同じことがいえます。スカイラインにターボが付いたのも中国を目指してのことですし、レクサスNXも最初からターボありきで登場したのも、このクルマが最初から中国市場を主体とした企画だからです。しかし自動車雑誌を読んでいるとそんなことを匂わせる文言はまったくと言っていいほど見当たりません。当たり前ですが・・・。
欧州メーカーの現在のほとんどの仕事は、中国向けに設計されたクルマをグローバルにも大量投入することです。そのおかげで日本でも比較的廉価な新型車の発売ラッシュになっているメルセデスとBMWですが、雑誌の評価はともかくディーラーに行ってみるとどうも盛り上がりに欠けている様子が伝わってきます。確かにメルセデスは日本で数字を出してはいますが、なんだかんだ言っても欲しいクルマはAMGだけですし・・・新しいメルセデスを一体どんな人が買っているのやら。骨のある評論家はA・CLA・GLAはメルセデスとしての品位に欠ける!なんて偉そうな意見を言ってますが、そんな枝葉末節なことよりも深刻なのは、欧州メーカー全体に良質なクルマを作ろう!という意欲が決定的に欠如していることだと思うのですが・・・。
冒頭にも触れましたが、自国の新車販売が10年間で半減というのはかなり危機的な数字です。つまりメルセデス・BMW・アウディが揃って一般のドイツ人から無視され出しているということです。「ダセ〜んだよ!」と日本人が日本車を叩くよりも何十倍も苛烈にドイツ人はドイツ車を蔑んでいます。おそらく「中国向けのクソ車なんて死んでも買わない!」とか言われているはずです。日本人が三菱ミラージュや日産マーチ(現行)に浴びせた冷たい対応と同じようなものが、ドイツでも起こっていて結果的に日本とは異次元に進行が速い「クルマ離れ」が到来しているのだと思います。
その点で日本メーカーははるかに上手くやっています。顧客のニーズに合わせて器用にクルマを作り分けて、その中でも情熱のこもったクルマ作りがあれこれと垣間みられます。そんなのはオマエの見方次第だろ!って言われてしまうかもしれないですが、新しくなったVWポロとマツダデミオのどちらに開発者の注いだ情熱を感じますか? 新型Cクラスが果たしてISやスカイラインよりも「やり切っている!」と言いきれますか? 少々飛躍があるかもしれないですが、ドイツ人が東アジア向けに作ったラインナップの相似形が、トヨタがブラジルで販売する約300万円のカローラです。ノックダウン生産の日本で絶版となったカローラです。なぜ300万円かって?日本車のブランド力が非常に高くてこの価格でも十分に売れるからだと思います。
欧州メーカーだけじゃなく、日本メーカーも中国向けにミニバンやSUVを画一的に大量販売したいという根元的な野心を隠し持っています。クルマに関して奥手な層を量販モデルへと追い立てて囲い込む戦略の中には、欧州メーカーとよく似た「確信犯的なクルマ作り」を感じます。先ほどもちょろっと紹介しましたが、トヨタは伝統のクラウンにターボモデルを投入するらしいと専らの噂です。そして評論家の誰一人として、トヨタの狙いが中国販売のテコ入れなのだというバレバレの事実を報じようとはしません。中国人が妄信的に喜ぶターボエンジンは巨大メーカーにとって避けては通れないファクターです。ホンダもスズキもDCTを装備し始めましたが、ターボエンジンと相性が良いとされるミッションをこれらのメーカーが使い出した狙いの先にはやはり中国があります。
中国やインドは欧州メーカーの進出が目覚ましく、残念ながら日本のCVTがシェアを伸ばすことはできませんでした。日本の道路環境で威力を発揮するCVTですが、最大のネックは中国やインドではこの複雑な機構をメンテナンスできるインフラが整っていないことです。東南アジアは日系メーカーが制圧しつつありますが、中国やインドで闘うためにはCVTではなくDCTが必要なのだとホンダとスズキは判断したようです。
欧州車もトヨタ(レクサス)や日産の高級車もホンダやスズキの廉価車も、大雑把に言ってしまうと大前提としているのは中国市場です。そういうクルマでいい!という人にとっては何の問題もないですが、日本に住んでいるのだから日本に合った設計をしていてほしい!と願う人々にとって最後の砦となるのは、やはりスバルとマツダです。いくら批判に取り巻かれてもCVTに拘って熟成&高性能化に邁進するスバルと、ロックアップ式トルコンATの開発により乗り心地を犠牲にしない道を見事に切り開いたマツダ。日本で最高のクルマを目指して進化を続ける両ブランドの姿勢は実に清々しい限りです。自社製造ミッションを根幹にクルマを開発しているこの両ブランドは、間違いなく地に足がついた進歩を遂げています。
ZFとアイシンAWのやや不毛な多段化競争の実験台に成り果てた「プレミアムブランド(笑)」を愛車にするくらいならクルマなんていらん!くらいの頑固な人の懐にそっと入っていけるクルマがスバルのレヴォーグでしょうか。今どき珍しい普通車の「国内専用車」という素晴らしい「時代錯誤」感を盛り込んだ演出の全部がスバルの計算だとしても、なんだか許せてしまいます。スバルが日本人のことだけを考えて作ったクルマ・・・そこにはスバルからの強烈なメッセージがあると思います。
「欧州メーカーのようなクルマ作りをスバルがもししていたら、中島飛行機から続く伝統に泥を塗ってしまいます!」
「もしそんなクルマ作りをスバルがしていると感じたら、大いに批判してください!スバルは絶対にそんなクルマ作りはやりません!」
もちろんスバルからそんなプレスリリースはありません。レヴォーグが他の全てのクルマを上回っているという意味ではなくて、スバルの情熱がこのクルマにはほとばしっていて、それを感じてくれた所有者に確かな喜びを与えてくれるという意味で他のクルマよりも別格に素晴らしいと思います。
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クルマを買う人々の気持ち
2015年1月4日日曜日
2014年12月17日水曜日
BMW i3「使い勝手の悪さが魅力かも」
たくさんの自動車評論家がこのBMWが発売した新型EVを、一生懸命に擁護しておられるのを見ると、失礼ですがいつも苦笑してしまいます。セカンドカーなんてポジションは許さない万能な乗用車ばかりを手掛けるBMWが、「ザ・セカンドカー」を作ってきたわけですから、これには少々面食らってしまったのかもしれませんが・・・。かつてアストンマーティンにシグネットという400万円もする超コンパクトカーがありました。あくまでアストン・ユーザーにだけ購入が許される「オマケ」商品であり、トヨタのiQをOEMしたものだったということもあり、日本のカーメディアはとりあえずは完全無視を決め込んでいたようで、そこに言及する自動車評論家は皆無といっていいくらいでした。セレブのオシャレなセカンドカーといった立ち位置を考えれば、シグネットもBMWi3も同じ性質のクルマですね。
知り合いのBMWファンのクルマ好きも、このクルマがなかなか放っておけないようで、「これは意外にも本格的な造りなんですよ!」と彼に会うたびに聞かされてる気がします。もちろん話を聞いて「なるほどね〜」と唸るポイントもいくつもあるのですが、滑稽なことに、そもそもこのクルマのコンセプト全体を一般的なBMW好きは一体どれだけ受け入れているのか?とも思ってしまうわけです。この手のクルマをこよなく愛してくれるのは、BMWファンなどではなく、「スバルR1」やちょっと古いですが「日産パオ」あたりを長く愛し続けてしまうタイプのちょっと変わり者が多いんじゃないのか?とふと思ってしまいます。
さてそんなややこしい話は置いておいて、「満タン充電で最大航続距離が150km」という強烈すぎるキャラクターに、かなり前向きな感情が持てる人は、おそらく自動車雑誌を読んだり自動車関連のブログなどを見ている層には少ないと思います。だからといって購入者の大半はクルマにあまり興味がない人々だ!と言い切ってしまう勇気はないですけども、評論家が掲げるやたらと堅苦しい賛辞を見ていると、どれもこれも結局のところ内容が「軽い」です。大変失礼ですが、真剣にこのクルマの存在意義や開発者のヴィジョンに向き合おうとしていません。まるでエルメスやルイヴィトンが作るペット用ハーネスでも品評するかのような脱力感が漂っています。しかしそんなお気楽なレビューとは別にこのi3の存在感にただならぬものを感じたりするわけです。どうやらこのクルマを理解するにはもっともっと頭を柔らかくする必要があると思います。
まず航続距離150kmですから、高速道路で都内から長野県あたりの景色がきれいなところへ出掛けるなんて、ほぼ物理的に不可能です。充電スポットを宛てにしても1回の急速充電完了まで30分待ちというだけでイライラしてしまいそうです。ただし1回500円で満タンになって100kmは軽く走るならば、プリウスが50Lで1000km走るのと比較してもかなり割安と言えます。遠くまでドライブするのには全く向いていませんが、例えば仕事から帰宅して片道30分(10km)程度の距離にある彼女の家にちょっと出向いたりするのに、週に3回通っても気にならないほどの良好な燃費に加えて、それなりにしっかりとしたオシャレさと高級感を持ち合わせているという意味ではかなり魅力的なクルマと言えます。
さらに「長距離ドライブはかなり退屈」というクルマ好きがなかなか直視しようとしない現実に勇気を持って向き合うことで、このクルマの価値はグンと高く感じられると思います。「思う存分に走るぞ!」という不毛な幻想にいつまでも浸っていてはダメだと、薄々は気がつき始めている人にとっては、「禁煙パイポ」的な意味でこのクルマに乗り換えることで新しい生活が運ばれてくるかもしれません。自分と彼女の休日を目一杯使ってドライブ・・・しかし実際は高速道路を500kmも走ればガソリン代と高速代で15,000円あまりかかります。冷静に考えれば、東京ディズニーランドでフリーパスで楽しめるくらいの金額を消費しているわけです。クルマもドライブも好きだけど、時間とお金の無駄遣いになりかねない休日の日中のビジーな道路事情に嫌気がさしている人にとって、このBMWi3は魅力的な代替案を突きつけてくれます。ドライブを楽しむならば深夜に短時間で快適なクルーズを!というのはなかなか清々しい結論ではないですか?
「遠くには行けない」という限定された性能のクルマというのは、ユーザー側がその分使い方をあれこれと工夫をしたくなります。だからといってどうなるものでもないですけども、考える過程にいろいろと楽しみがあったりするはずです。150kmしか走れないですから、自宅から30km圏内で最も楽しいドライブが出来るスポットはどこか?と血眼になって探しまわる必要があり、その結果わざわざ箱根や群馬県の有名な峠ルートまで出向かなくても、多摩丘陵の付近にとても良いワインディングコースが見つかったりします。BMWi3ならばそこで楽しむより他にないわけですから、感情に任せて深夜に景色の全く見えない山岳路を登るなんてややマヌケな行動はしなくなります。これがプリウスに匹敵する燃費性能を備えたレクサスCT200hだったら・・・。内装の豪華さに関しては深夜に彼女とデートドライブするのに良いですが、大して面白くもないドライブフィールに包まれながら、深夜に箱根行脚をするといった愚かな考えが頭を過ることがあるかもしれません。
「150kmしか走れないからこのクルマがいいんだ!」という新しいメンタリティこそが、BMWの新しいコンセプトを理解する上でとても重要なことだと思います。航続距離が500kmまで伸びるテスラ・モデルSならば、特に説明するまでもなくクルマの価値が伝わるでしょうが、このBMWi3の価値を必死で伝えようとしている自動車評論家はどうも空回っている気がします。特にライターとしての生き残りに必死な様子の還暦のライター(国沢光宏、熊倉重春など)が「EVならまかせろ!」的なスタンスを取っていらっしゃいますが、どうも軽自動車かなんかの代わりくらいにしか考えていない感じがプンプンします。もっと若くて柔軟な考えを持った自動車評論家が、これまで考えてもみなかったEVの可能性についてしっかり語っていくことがプレミアムEVの普及と低価格化をもたらすと思うのですが・・・。
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知り合いのBMWファンのクルマ好きも、このクルマがなかなか放っておけないようで、「これは意外にも本格的な造りなんですよ!」と彼に会うたびに聞かされてる気がします。もちろん話を聞いて「なるほどね〜」と唸るポイントもいくつもあるのですが、滑稽なことに、そもそもこのクルマのコンセプト全体を一般的なBMW好きは一体どれだけ受け入れているのか?とも思ってしまうわけです。この手のクルマをこよなく愛してくれるのは、BMWファンなどではなく、「スバルR1」やちょっと古いですが「日産パオ」あたりを長く愛し続けてしまうタイプのちょっと変わり者が多いんじゃないのか?とふと思ってしまいます。
さてそんなややこしい話は置いておいて、「満タン充電で最大航続距離が150km」という強烈すぎるキャラクターに、かなり前向きな感情が持てる人は、おそらく自動車雑誌を読んだり自動車関連のブログなどを見ている層には少ないと思います。だからといって購入者の大半はクルマにあまり興味がない人々だ!と言い切ってしまう勇気はないですけども、評論家が掲げるやたらと堅苦しい賛辞を見ていると、どれもこれも結局のところ内容が「軽い」です。大変失礼ですが、真剣にこのクルマの存在意義や開発者のヴィジョンに向き合おうとしていません。まるでエルメスやルイヴィトンが作るペット用ハーネスでも品評するかのような脱力感が漂っています。しかしそんなお気楽なレビューとは別にこのi3の存在感にただならぬものを感じたりするわけです。どうやらこのクルマを理解するにはもっともっと頭を柔らかくする必要があると思います。
まず航続距離150kmですから、高速道路で都内から長野県あたりの景色がきれいなところへ出掛けるなんて、ほぼ物理的に不可能です。充電スポットを宛てにしても1回の急速充電完了まで30分待ちというだけでイライラしてしまいそうです。ただし1回500円で満タンになって100kmは軽く走るならば、プリウスが50Lで1000km走るのと比較してもかなり割安と言えます。遠くまでドライブするのには全く向いていませんが、例えば仕事から帰宅して片道30分(10km)程度の距離にある彼女の家にちょっと出向いたりするのに、週に3回通っても気にならないほどの良好な燃費に加えて、それなりにしっかりとしたオシャレさと高級感を持ち合わせているという意味ではかなり魅力的なクルマと言えます。
さらに「長距離ドライブはかなり退屈」というクルマ好きがなかなか直視しようとしない現実に勇気を持って向き合うことで、このクルマの価値はグンと高く感じられると思います。「思う存分に走るぞ!」という不毛な幻想にいつまでも浸っていてはダメだと、薄々は気がつき始めている人にとっては、「禁煙パイポ」的な意味でこのクルマに乗り換えることで新しい生活が運ばれてくるかもしれません。自分と彼女の休日を目一杯使ってドライブ・・・しかし実際は高速道路を500kmも走ればガソリン代と高速代で15,000円あまりかかります。冷静に考えれば、東京ディズニーランドでフリーパスで楽しめるくらいの金額を消費しているわけです。クルマもドライブも好きだけど、時間とお金の無駄遣いになりかねない休日の日中のビジーな道路事情に嫌気がさしている人にとって、このBMWi3は魅力的な代替案を突きつけてくれます。ドライブを楽しむならば深夜に短時間で快適なクルーズを!というのはなかなか清々しい結論ではないですか?
「遠くには行けない」という限定された性能のクルマというのは、ユーザー側がその分使い方をあれこれと工夫をしたくなります。だからといってどうなるものでもないですけども、考える過程にいろいろと楽しみがあったりするはずです。150kmしか走れないですから、自宅から30km圏内で最も楽しいドライブが出来るスポットはどこか?と血眼になって探しまわる必要があり、その結果わざわざ箱根や群馬県の有名な峠ルートまで出向かなくても、多摩丘陵の付近にとても良いワインディングコースが見つかったりします。BMWi3ならばそこで楽しむより他にないわけですから、感情に任せて深夜に景色の全く見えない山岳路を登るなんてややマヌケな行動はしなくなります。これがプリウスに匹敵する燃費性能を備えたレクサスCT200hだったら・・・。内装の豪華さに関しては深夜に彼女とデートドライブするのに良いですが、大して面白くもないドライブフィールに包まれながら、深夜に箱根行脚をするといった愚かな考えが頭を過ることがあるかもしれません。
「150kmしか走れないからこのクルマがいいんだ!」という新しいメンタリティこそが、BMWの新しいコンセプトを理解する上でとても重要なことだと思います。航続距離が500kmまで伸びるテスラ・モデルSならば、特に説明するまでもなくクルマの価値が伝わるでしょうが、このBMWi3の価値を必死で伝えようとしている自動車評論家はどうも空回っている気がします。特にライターとしての生き残りに必死な様子の還暦のライター(国沢光宏、熊倉重春など)が「EVならまかせろ!」的なスタンスを取っていらっしゃいますが、どうも軽自動車かなんかの代わりくらいにしか考えていない感じがプンプンします。もっと若くて柔軟な考えを持った自動車評論家が、これまで考えてもみなかったEVの可能性についてしっかり語っていくことがプレミアムEVの普及と低価格化をもたらすと思うのですが・・・。
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2014年12月4日木曜日
スイフト・スポーツ 「ミニに乗ったあとはスズキに行ってみよう!」
前々から思っていたのですが、「スイフト・スポーツ」というネーミングでやっぱり損をしているかもしれないですね。スイスポもすでに第3世代に突入して今更なんですが、もうちょっとあれこれと売り方を工夫すれば、現在のマツダやスバルのような「日本車の代表」みたいなポジションにすんなり落ち着いたような気がします。何が言いたいかというと、このクルマの基本性能の高さは目を見張るものがあり、おそらく国産・輸入問わずにB、Cセグメントにおける最もドライブフィールに優れたクルマだということです。このクルマをスポーツ走行が好きな人々だけに使わせるのはもったいないくらいです。
このスイスポを「スイフト」と命名してスタンダード化して、ベースモデルのスイフトを「スイフト・エコ」とでも名付けて廉価版にしたらどうですかね。決してベースモデルも悪いクルマじゃないですけど、やはり日本向け仕様のドラムブレーキなどややプアな装備が目立つと、やはりクルマとしての素性が・・・という話になってしまいます。日本車への批判はそのほとんどが小型車に集中しています。低価格実現のための企業努力が理解されずに、本体価格が2倍以上高い輸入車とガチンコで比較されて、酷評されるケースが多いですね。結局のところ経営能力に優れるトヨタとホンダが日本のコンパクトカーの基本構造を決めてしまい、日産・スズキ・マツダ・三菱がその土俵で争うという構図でこの10年くらいは経過しました。
そんな業界のルールの中では、乗り出し価格で230万円ほどになるスイフト=スポーツがスズキのBセグの「顔」と言い張るのは難しく、あくまで特殊用途のスポーツカーという位置づけで、ディーラーやユーザーを納得させるしかなかったようです。燃費も20km/L越えが当たり前のクラスにおいて14.8km/Lとかなり控えめな数値です。「価格と燃費で勝負しないBセグ」というコンセプトは今でこそユニークで見所がありますが、はやり薄利多売が国産Bセグの主流であり、スズキのブランドイメージもそのど真ん中にあるので、思い切った戦略を取りづらい部分もあるのでしょう。
スズキの軽自動車はマツダブランドでもOEMで販売されていますが、このスイフト=スポーツもマツダブランドで販売すると面白いかもしれません。あくまで独断と偏見によりますが、スイスポこそがマツダが作りたがるドライビングプレジャーが満載の理想的Bセグであり、逆にデミオXDこそがスズキが求める経済性に優れたリーズナブルなモデルだったりします。いっそのことスイスポとデミオXDを交換して「デミオスポルト」と「スイフトXD」にすればいいのでは?マツダがCMで使う「Be a driver」のイメージにぴったりのクルマを日本でも有名な国内外のブランドから選ぶとすれば、とりあえずスイスポになりそうです。
マツダが「Be a driver」として訴えるドライビングフィールの良さは、やはり輸入車へのコンプレックスの表れに他ならず、ブランド全体として輸入車と乗り比べても全くひけを取らない乗り味を目指したいようです。BMWやアウディに乗ったあとで、マツダ車に乗ったとしたら、かなり多くの人が「マツダもなかなかやるな!」と思うでしょう。素直に乗り比べてしまえば、コストパフォーマンスも含めてかなりの確率でマツダ車が有利かもしれません。しかし「スイフト=スポーツ」ならば、話はもっと単純でBMWミニやVWといった輸入車ブランドのBセグ車に乗ってからスイスポに乗れば、その実力の違いは歴然としています。もはやコスパなんて関係なく、スイスポは気持ちいいです!
具体的に言うと、アクセルとブレーキのしなやかでリニアな操作感にまず痺れます。たとえCVTモデルであってもビックリするくらいに不快感はなく、1040kgの車重に比して余力のある1.6L(自然吸気)エンジンの低回転域では、エンジン出力をトルコンATよりも余さずに繋ぐというCVTの隠れた良い面が体感できる貴重なクルマです。スバル車のようなAWDで1500kgに迫る車重だとCVTのかったるいシフトチェンジが伝わるなど、ネガティブな面が目立ってしまいますが、1000kg程度の軽量車にとってはCVTの恩恵は世間一般で言われているよりはるかに大きいのですが、日本の小型車は足回りなどトラクションに関わる諸条件での設計の甘さが響いてそれほど効果的な走りができなかったりします。
多くの評論家は安易にCVTに責任を押し付けたがりますが、スイスポくらいシャシーも足回りもマジメに作られてしまうと、それらがほぼ全て詭弁なのがバレバレです。VWがツインクラッチを有効に使って、CVTではどうにもならない1300kg程度の車重を気持ちよく走らせていますが、スズキにはスズキの、VWにはVWの理屈というものがあって、それぞれに最善の選択をしていると言えます。マツダの新型デミオがCVTからトルコンATへと回帰したのは、ディーゼルのトルクが使えるミッションを限られた経営資源の中から効率よく選定した結果だそうです。各メーカーともにそれぞれの正義を掲げているわけですが、CVTだからDSGだからという単一の議論に終始する愚かな評論家って結構いますよね。
スイスポの良い点をさらに挙げると、極上のアクセルとブレーキフィールに加えて、ハンドリングの良さも大きなポイントです。ドイツの雑誌でも高く評価されています。ドイツではポルシェ・ケイマンやロータス・エリーゼ、マツダロードスターなどのスポーツカーと並んでB/Cセグのホットハッチもハンドリングマシンとして高い評価を受けていますが、プジョー208GTiやゴルフGTIといったホットハッチの定番モデルに混じってスイフトスポーツも絶賛されています。同クラスのVWポロは日本未発売の「ポロR」というグレードがスイスポに対抗できるモデルとして挙げられています。日本でもコアなファンが多いですが、ドイツでも多士済々なホットハッチの重要な一員として認知されているようです。
そしてハンドリングとはややニュアンスが違うかもしれませんが、電子制御があれこれとトラクションをコントロールして走らせることが多いDSGを使ったモデルよりも、ハンドル周りやアクセル周りに余計なものが一切付いていないと感じられるシンプルなフィーリングは、日本で発売されている他のホットハッチよりもかなり好印象です。こういうクルマを評してスポーティと言うべきであって、電子制御がガチガチながらも割と滑らかに発進できるゴルフGTIの設計における意識の高さこそ認めますが、やはり「クルマ本来の魅力」に忠実なのはスイスポなんだなと思います。マツダ・デミオXDがやたらともて囃されていますが、なんだか高級車のように勿体ぶった出力の出し方になんだか嘘くさい感じがしないでもないです。
多少語弊があるかもしれないですが、スイスポを迷わずに選べる人は「正直者」です。その一方でデミオXDやVWポロのような、メディア主導に乗っかっただけのクルマを有り難がるのは、決して悪いとは言いませんが、あとで後悔することがなければ良いなと思います。BMWミニに3年乗って残価設定クレジットでは「60%保証します!」なんて驚きの数字を出されるとかなり心がグラついてしまうかもしれないですが、そんな人にはミニに乗ったあとにすぐにスズキに出掛けていって頭を冷やしたらいいでしょう。マトモな人ならば、ミニ・クーパーSを430万円で購入して3年で60%保証してもらったとしても、スイスポを225万で買ったほうが間違いなく3年間での車体の減価償却はスイスポの方が少ないということに気がつくでしょう!しかもスイスポの方が断然に走って気持ちよかったりします・・・。
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このスイスポを「スイフト」と命名してスタンダード化して、ベースモデルのスイフトを「スイフト・エコ」とでも名付けて廉価版にしたらどうですかね。決してベースモデルも悪いクルマじゃないですけど、やはり日本向け仕様のドラムブレーキなどややプアな装備が目立つと、やはりクルマとしての素性が・・・という話になってしまいます。日本車への批判はそのほとんどが小型車に集中しています。低価格実現のための企業努力が理解されずに、本体価格が2倍以上高い輸入車とガチンコで比較されて、酷評されるケースが多いですね。結局のところ経営能力に優れるトヨタとホンダが日本のコンパクトカーの基本構造を決めてしまい、日産・スズキ・マツダ・三菱がその土俵で争うという構図でこの10年くらいは経過しました。
そんな業界のルールの中では、乗り出し価格で230万円ほどになるスイフト=スポーツがスズキのBセグの「顔」と言い張るのは難しく、あくまで特殊用途のスポーツカーという位置づけで、ディーラーやユーザーを納得させるしかなかったようです。燃費も20km/L越えが当たり前のクラスにおいて14.8km/Lとかなり控えめな数値です。「価格と燃費で勝負しないBセグ」というコンセプトは今でこそユニークで見所がありますが、はやり薄利多売が国産Bセグの主流であり、スズキのブランドイメージもそのど真ん中にあるので、思い切った戦略を取りづらい部分もあるのでしょう。
スズキの軽自動車はマツダブランドでもOEMで販売されていますが、このスイフト=スポーツもマツダブランドで販売すると面白いかもしれません。あくまで独断と偏見によりますが、スイスポこそがマツダが作りたがるドライビングプレジャーが満載の理想的Bセグであり、逆にデミオXDこそがスズキが求める経済性に優れたリーズナブルなモデルだったりします。いっそのことスイスポとデミオXDを交換して「デミオスポルト」と「スイフトXD」にすればいいのでは?マツダがCMで使う「Be a driver」のイメージにぴったりのクルマを日本でも有名な国内外のブランドから選ぶとすれば、とりあえずスイスポになりそうです。
マツダが「Be a driver」として訴えるドライビングフィールの良さは、やはり輸入車へのコンプレックスの表れに他ならず、ブランド全体として輸入車と乗り比べても全くひけを取らない乗り味を目指したいようです。BMWやアウディに乗ったあとで、マツダ車に乗ったとしたら、かなり多くの人が「マツダもなかなかやるな!」と思うでしょう。素直に乗り比べてしまえば、コストパフォーマンスも含めてかなりの確率でマツダ車が有利かもしれません。しかし「スイフト=スポーツ」ならば、話はもっと単純でBMWミニやVWといった輸入車ブランドのBセグ車に乗ってからスイスポに乗れば、その実力の違いは歴然としています。もはやコスパなんて関係なく、スイスポは気持ちいいです!
具体的に言うと、アクセルとブレーキのしなやかでリニアな操作感にまず痺れます。たとえCVTモデルであってもビックリするくらいに不快感はなく、1040kgの車重に比して余力のある1.6L(自然吸気)エンジンの低回転域では、エンジン出力をトルコンATよりも余さずに繋ぐというCVTの隠れた良い面が体感できる貴重なクルマです。スバル車のようなAWDで1500kgに迫る車重だとCVTのかったるいシフトチェンジが伝わるなど、ネガティブな面が目立ってしまいますが、1000kg程度の軽量車にとってはCVTの恩恵は世間一般で言われているよりはるかに大きいのですが、日本の小型車は足回りなどトラクションに関わる諸条件での設計の甘さが響いてそれほど効果的な走りができなかったりします。
多くの評論家は安易にCVTに責任を押し付けたがりますが、スイスポくらいシャシーも足回りもマジメに作られてしまうと、それらがほぼ全て詭弁なのがバレバレです。VWがツインクラッチを有効に使って、CVTではどうにもならない1300kg程度の車重を気持ちよく走らせていますが、スズキにはスズキの、VWにはVWの理屈というものがあって、それぞれに最善の選択をしていると言えます。マツダの新型デミオがCVTからトルコンATへと回帰したのは、ディーゼルのトルクが使えるミッションを限られた経営資源の中から効率よく選定した結果だそうです。各メーカーともにそれぞれの正義を掲げているわけですが、CVTだからDSGだからという単一の議論に終始する愚かな評論家って結構いますよね。
スイスポの良い点をさらに挙げると、極上のアクセルとブレーキフィールに加えて、ハンドリングの良さも大きなポイントです。ドイツの雑誌でも高く評価されています。ドイツではポルシェ・ケイマンやロータス・エリーゼ、マツダロードスターなどのスポーツカーと並んでB/Cセグのホットハッチもハンドリングマシンとして高い評価を受けていますが、プジョー208GTiやゴルフGTIといったホットハッチの定番モデルに混じってスイフトスポーツも絶賛されています。同クラスのVWポロは日本未発売の「ポロR」というグレードがスイスポに対抗できるモデルとして挙げられています。日本でもコアなファンが多いですが、ドイツでも多士済々なホットハッチの重要な一員として認知されているようです。
そしてハンドリングとはややニュアンスが違うかもしれませんが、電子制御があれこれとトラクションをコントロールして走らせることが多いDSGを使ったモデルよりも、ハンドル周りやアクセル周りに余計なものが一切付いていないと感じられるシンプルなフィーリングは、日本で発売されている他のホットハッチよりもかなり好印象です。こういうクルマを評してスポーティと言うべきであって、電子制御がガチガチながらも割と滑らかに発進できるゴルフGTIの設計における意識の高さこそ認めますが、やはり「クルマ本来の魅力」に忠実なのはスイスポなんだなと思います。マツダ・デミオXDがやたらともて囃されていますが、なんだか高級車のように勿体ぶった出力の出し方になんだか嘘くさい感じがしないでもないです。
多少語弊があるかもしれないですが、スイスポを迷わずに選べる人は「正直者」です。その一方でデミオXDやVWポロのような、メディア主導に乗っかっただけのクルマを有り難がるのは、決して悪いとは言いませんが、あとで後悔することがなければ良いなと思います。BMWミニに3年乗って残価設定クレジットでは「60%保証します!」なんて驚きの数字を出されるとかなり心がグラついてしまうかもしれないですが、そんな人にはミニに乗ったあとにすぐにスズキに出掛けていって頭を冷やしたらいいでしょう。マトモな人ならば、ミニ・クーパーSを430万円で購入して3年で60%保証してもらったとしても、スイスポを225万で買ったほうが間違いなく3年間での車体の減価償却はスイスポの方が少ないということに気がつくでしょう!しかもスイスポの方が断然に走って気持ちよかったりします・・・。
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2014年4月12日土曜日
日産ノート 「小型車の流儀とNISSANの誇り」
現行の日産ノートが登場したときは、日産に対しての「憎悪」と「嘲笑」の気持ちがありました。「なんか日産ってズレてるよな・・・」。これが率直過ぎる感想で、日産は小型車を「ナメてるのでは?」という色眼鏡もあって、どうせ新興国向けのクルマを日本で適当に売りさばきたいだけじゃないの?って完全に懐疑な視線。そもそもCMにジャニーズタレントを起用するなんて・・・完全にユーザーを馬鹿にしているとしか思えない!
トヨタやホンダが巨額の開発費をかけて、世界最先端のHV技術で争っている国内Bセグ市場に、東南アジアで売ってそうな1.2Lガソリンエンジンで今さらに参入って・・・。どれだけやる気ないんだよ!って雑誌にも叩かれてました。普段はカーメディア嫌いなのですが、この時ばかりは「そうだ!そうだ!」って思わず同調しましたね・・・。非HVだとしてもVWゴルフみたいに静音・制振設計だというならまだ受容する余地がありますが、明らかにマーチ/ティーダ/ラティオといったラインを後継する小綺麗な新型車でしかなく、しかも「うるさい、燃費も良くない、価格も高い」って一体誰得だよ!?
さてここまで来てひとつの疑問が・・・。ド素人の私でも「最低のクルマ」で試乗する価値もないと思ってしまうようなモデルを、世界のトップメーカーである日産がわざわざ投入するなんてことがあるのだろうか? アクア登場以降、完全にマイナーな存在になったヴィッツの1.3Lモデルを、そのまま「なぞった」ようなクルマを今さらのように出してくるものだろうか? 今や軽自動車に押されて無個性なBセグなんてどんどん淘汰されている時代なのに・・・。案の定、日産ユーザーからもラティオを残して!という声が・・・。
どうせ欧州・中国・東南アジアで使い倒すためのルノーと共通の1.2Lなんだろう!と完全に日産で最近顕著に見られる経営合理化のストイックな姿勢から想像していましたが、去年の暮れになって「自動車ガイドブック(日刊自動車新聞)」を何気なく見ていると、ノートの1.2LエンジンはNAとスーパーチャージャーでは異なっていて、日本で売られているマーチのものとも、欧州で売られているルノー車のものとも違うことが判明・・・。
経営合理化を強引に押し進めているイメージがあったルノー日産グループですが、1.2Lエンジンだけでも複数のバージョンがあり、しかも3気筒も4気筒もありその市場の道路環境によって細かく作り分けているとは・・・思いもよりませんでした。よくよく考えるとこれは結構スゴいことなんですよね。日本ではおなじみのトヨタやホンダの小型車向けHVは走行環境の違う欧州ではなかなか受け入れられず低迷。北米ではそこそこ売れていますが、カムリやアコードの売れ行きに比べればまだまだマイナーな存在。小型車そのものが北米では市民権を得ていないようですが・・・。
そして欧州王者のVWの代表的小型車エンジンである「1.2/1.4Lガソリンターボ(TSI)」も受け入れられている地域はとても限定的なんですよね。欧州では10ほどあるパワーユニットの一部でしかなく、そもそもディーゼル(GDI)が半数を占めるわけですから・・・。確かに小排気量なのに高速燃費が視野に入っている点は評価できますが、日本の都市部の混雑道路を走るのには全く向かないですし、北米では「さっぱり」であまりの不人気っぷりにゴルフ7以降は廃止されてしまったくらいです。
そういった現状が日本のカーメディアによってねじ曲げられて伝えられていて、その一番の被害者が日産なのかもしれません。なんだかんだで一番マジメにやっているのは日産では?その緻密に作り分けた1.2Lエンジンはどれもエンジンとしては世界最高水準です。そして主なものは全て日本で乗る事ができます。ルノールーテシア/キャプチャーに使われる「H5ft」は4気筒ターボで燃費以上に「走り」が絶賛されているエンジン。日産ノートのNA及びマーチで使われるのが「H12DE」で3気筒エンジンでこれは新興国向けの廉価モデル用ですね(ノートのNAはもっと安くてもいいのでは?)。
そしてノートのスーパーチャージャー仕様に使われるのが「H12DDR」という3気筒エンジンでスペック上はボア×ストロークが「H12DE」と同じなので共通と思いきや、「直噴化」「ミラーサイクル化」がされていて、ホンダの新型フィットがトヨタ越えを狙って開発した新型HVと同じ方向性の改良が施されています。「何でスパチャー?」というのも日産の周到なシュミレーションによるもので、バッテリー搭載や熱処理など小型車にはハードルが高いHVよりもシンプルな設計を目指すのが得策と考えたようです。つまりホンダは「ミラーサイクル+HV」のところを日産は「ミラーサイクル+スパチャー」で熱効率の極限を目指したということです。
4気筒の「H5ft」はターボ過給で、3気筒の「H12DDR」はスパチャー。この辺りの芸の細かさにエンジン技術における日産のプライドが滲んでいます。確かにハイブリッド技術は日本の混雑道路を想定すると素晴らしいものですが、それ一辺倒になってしまうのも考えものだ!という達観の境地に達した日産の極めて「大人」な提案が、この「ノート」のスーパーチャージャーなんだなと思いますね。いやはや愚かな勘違いをしていた自分が恥ずかしい限りです。
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トヨタやホンダが巨額の開発費をかけて、世界最先端のHV技術で争っている国内Bセグ市場に、東南アジアで売ってそうな1.2Lガソリンエンジンで今さらに参入って・・・。どれだけやる気ないんだよ!って雑誌にも叩かれてました。普段はカーメディア嫌いなのですが、この時ばかりは「そうだ!そうだ!」って思わず同調しましたね・・・。非HVだとしてもVWゴルフみたいに静音・制振設計だというならまだ受容する余地がありますが、明らかにマーチ/ティーダ/ラティオといったラインを後継する小綺麗な新型車でしかなく、しかも「うるさい、燃費も良くない、価格も高い」って一体誰得だよ!?
さてここまで来てひとつの疑問が・・・。ド素人の私でも「最低のクルマ」で試乗する価値もないと思ってしまうようなモデルを、世界のトップメーカーである日産がわざわざ投入するなんてことがあるのだろうか? アクア登場以降、完全にマイナーな存在になったヴィッツの1.3Lモデルを、そのまま「なぞった」ようなクルマを今さらのように出してくるものだろうか? 今や軽自動車に押されて無個性なBセグなんてどんどん淘汰されている時代なのに・・・。案の定、日産ユーザーからもラティオを残して!という声が・・・。
どうせ欧州・中国・東南アジアで使い倒すためのルノーと共通の1.2Lなんだろう!と完全に日産で最近顕著に見られる経営合理化のストイックな姿勢から想像していましたが、去年の暮れになって「自動車ガイドブック(日刊自動車新聞)」を何気なく見ていると、ノートの1.2LエンジンはNAとスーパーチャージャーでは異なっていて、日本で売られているマーチのものとも、欧州で売られているルノー車のものとも違うことが判明・・・。
経営合理化を強引に押し進めているイメージがあったルノー日産グループですが、1.2Lエンジンだけでも複数のバージョンがあり、しかも3気筒も4気筒もありその市場の道路環境によって細かく作り分けているとは・・・思いもよりませんでした。よくよく考えるとこれは結構スゴいことなんですよね。日本ではおなじみのトヨタやホンダの小型車向けHVは走行環境の違う欧州ではなかなか受け入れられず低迷。北米ではそこそこ売れていますが、カムリやアコードの売れ行きに比べればまだまだマイナーな存在。小型車そのものが北米では市民権を得ていないようですが・・・。
そして欧州王者のVWの代表的小型車エンジンである「1.2/1.4Lガソリンターボ(TSI)」も受け入れられている地域はとても限定的なんですよね。欧州では10ほどあるパワーユニットの一部でしかなく、そもそもディーゼル(GDI)が半数を占めるわけですから・・・。確かに小排気量なのに高速燃費が視野に入っている点は評価できますが、日本の都市部の混雑道路を走るのには全く向かないですし、北米では「さっぱり」であまりの不人気っぷりにゴルフ7以降は廃止されてしまったくらいです。
そういった現状が日本のカーメディアによってねじ曲げられて伝えられていて、その一番の被害者が日産なのかもしれません。なんだかんだで一番マジメにやっているのは日産では?その緻密に作り分けた1.2Lエンジンはどれもエンジンとしては世界最高水準です。そして主なものは全て日本で乗る事ができます。ルノールーテシア/キャプチャーに使われる「H5ft」は4気筒ターボで燃費以上に「走り」が絶賛されているエンジン。日産ノートのNA及びマーチで使われるのが「H12DE」で3気筒エンジンでこれは新興国向けの廉価モデル用ですね(ノートのNAはもっと安くてもいいのでは?)。
そしてノートのスーパーチャージャー仕様に使われるのが「H12DDR」という3気筒エンジンでスペック上はボア×ストロークが「H12DE」と同じなので共通と思いきや、「直噴化」「ミラーサイクル化」がされていて、ホンダの新型フィットがトヨタ越えを狙って開発した新型HVと同じ方向性の改良が施されています。「何でスパチャー?」というのも日産の周到なシュミレーションによるもので、バッテリー搭載や熱処理など小型車にはハードルが高いHVよりもシンプルな設計を目指すのが得策と考えたようです。つまりホンダは「ミラーサイクル+HV」のところを日産は「ミラーサイクル+スパチャー」で熱効率の極限を目指したということです。
4気筒の「H5ft」はターボ過給で、3気筒の「H12DDR」はスパチャー。この辺りの芸の細かさにエンジン技術における日産のプライドが滲んでいます。確かにハイブリッド技術は日本の混雑道路を想定すると素晴らしいものですが、それ一辺倒になってしまうのも考えものだ!という達観の境地に達した日産の極めて「大人」な提案が、この「ノート」のスーパーチャージャーなんだなと思いますね。いやはや愚かな勘違いをしていた自分が恥ずかしい限りです。
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2014年4月2日水曜日
ホンダ・ヴェゼル 「クルマ=アップル的ガジェットの時代へ・・・」
アウディが昨年発売した「ゴルフ高級版」ことアウディA3の存在がほとんど忘れ去られている。ベース車のゴルフハイラインがライバル輸入車メーカーよりも高い価格設定なので、それよりもさらに高価なA3が敬遠されてしまうのも何となくわかります。アウディがA3を発売したときに強調したのが、「クルマの中でネットが使えます!」というシステム。どうもこれがクルマ好きには全くウケていないようで、複数の評論家が「もっと他にやることがあるだろう?」と辛辣な意見を投げかけていました。
その一方で産経や東洋経済など「一般紙」のクルマ記事ではA3の先進性を称賛する声もありました。「アップルやグーグルのような発想でクルマが作られる時代」みたいなことを言ってましたが、これはなんかちょっと違う気する・・・というより「理解のレベル」がとても低いです。クルマに無線LANを設置すること自体は1980年代の「自動車電話」と同じレベルの発想です。もちろん運転中のネットって誰が考えても危ないですし・・・。アウディもマツダも「クルマのIT化」に関してはやってることは全然新しくないし「アップル的」でもない。そんなものに価値を見出す人のセンスは全く以てオカシイ!
むしろアップル的な発想がクルマ作りに与える良い影響は、このホンダ「ヴェゼル」に感じることができます。自動車には「高級車」という概念が未だに存在しますが、アップルの製品「i-phone」や「mac book air」には特別に「高級」というイメージはありませんし、価格設定も極めて平凡な水準に押さえられています。ネット通販で買えば、「エイサー(パソコン大手の台湾メーカー)」とほぼ同スペックのものでは同価格です。それでも他社のスマホやラップトップには絶対に負けない「性能」と「質感」を有していて世界各地の特にお金が無い若者に熱く支持されています。
アップル製品はユーザー目線でとても「合理的」で「価格・性能・質感」の3つを並立させるという、これまたごくごく根元的な発想で設計されています。もちろんこの当たり前のことをやるのがとても難しいのですが・・・。やっていることは何も新しくないけども、これまでの幾多のパソコンメーカーが決して登り詰めることが出来なかった高みへと辿り着いているので、「斬新」に感じるのかなという気がします。
さてホンダ「ヴェゼル」ですが、このクルマこそがいよいよ日本メーカーが辿り着きある「高み」に一番近いところにやって来たようです。まるでアップル製品のように「きっちり使い切れそう」なほどよいボリューム感がまず第一印象です。持て余さない大きさなんだけど「画面は決して小さ過ぎない」アップルのように、車内のスペースはとても効率的です。インパネやトリムの質感も価格を考えると十分以上どころか軽く「サプライズ」なほどに満足させてくれます。製造コストはたいして掛けてはいないと思いますが、設計者のセンスでそれをカバーしてます。
そして最近ではフランスなどでも大流行の「都市型SUV」。パソコンで例えるならば必要なスペックをきっちり収めた「ネットブック」でしょうか。制限速度が低い日本のどんな道でもヴェゼルHVならば「必要十分」に走るだけの性能はありますし、特に遅いと感じることはないです。日本メーカーが世界に誇る小型車技術は「都市環境での移動」においては輸入車を寄せ付けないだけの素晴らしいものがあります。日本の都市部の世界最高レベルに整備された道路を、法定速度を守って走る限りでは「車軸式サス」でも乗り心地が大きく劣ることはないはずです。
「ネットブック」が持たないような、「高性能なCPU」「ハイスペックなメモリー」「大容量のハードディスク」なんてよっぽどヘビーな「ゲーマー」でない限り要りませんし、今どきゲームなんて人によっては「時間の無駄遣い」以外の何者でもないと考えるでしょう。そういう人にとっては400psオーバーに8速AT、高性能サスを装備した「高級車」なんて時間では無く「お金の無駄遣い」に思えるわけです。オーナーの皆様には大変に恐縮ですが、「レクサス、メルセデス」=「ゲーマー専用機」wwwという意見はなるほどと思ってしまいました。
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その一方で産経や東洋経済など「一般紙」のクルマ記事ではA3の先進性を称賛する声もありました。「アップルやグーグルのような発想でクルマが作られる時代」みたいなことを言ってましたが、これはなんかちょっと違う気する・・・というより「理解のレベル」がとても低いです。クルマに無線LANを設置すること自体は1980年代の「自動車電話」と同じレベルの発想です。もちろん運転中のネットって誰が考えても危ないですし・・・。アウディもマツダも「クルマのIT化」に関してはやってることは全然新しくないし「アップル的」でもない。そんなものに価値を見出す人のセンスは全く以てオカシイ!
むしろアップル的な発想がクルマ作りに与える良い影響は、このホンダ「ヴェゼル」に感じることができます。自動車には「高級車」という概念が未だに存在しますが、アップルの製品「i-phone」や「mac book air」には特別に「高級」というイメージはありませんし、価格設定も極めて平凡な水準に押さえられています。ネット通販で買えば、「エイサー(パソコン大手の台湾メーカー)」とほぼ同スペックのものでは同価格です。それでも他社のスマホやラップトップには絶対に負けない「性能」と「質感」を有していて世界各地の特にお金が無い若者に熱く支持されています。
アップル製品はユーザー目線でとても「合理的」で「価格・性能・質感」の3つを並立させるという、これまたごくごく根元的な発想で設計されています。もちろんこの当たり前のことをやるのがとても難しいのですが・・・。やっていることは何も新しくないけども、これまでの幾多のパソコンメーカーが決して登り詰めることが出来なかった高みへと辿り着いているので、「斬新」に感じるのかなという気がします。
さてホンダ「ヴェゼル」ですが、このクルマこそがいよいよ日本メーカーが辿り着きある「高み」に一番近いところにやって来たようです。まるでアップル製品のように「きっちり使い切れそう」なほどよいボリューム感がまず第一印象です。持て余さない大きさなんだけど「画面は決して小さ過ぎない」アップルのように、車内のスペースはとても効率的です。インパネやトリムの質感も価格を考えると十分以上どころか軽く「サプライズ」なほどに満足させてくれます。製造コストはたいして掛けてはいないと思いますが、設計者のセンスでそれをカバーしてます。
そして最近ではフランスなどでも大流行の「都市型SUV」。パソコンで例えるならば必要なスペックをきっちり収めた「ネットブック」でしょうか。制限速度が低い日本のどんな道でもヴェゼルHVならば「必要十分」に走るだけの性能はありますし、特に遅いと感じることはないです。日本メーカーが世界に誇る小型車技術は「都市環境での移動」においては輸入車を寄せ付けないだけの素晴らしいものがあります。日本の都市部の世界最高レベルに整備された道路を、法定速度を守って走る限りでは「車軸式サス」でも乗り心地が大きく劣ることはないはずです。
「ネットブック」が持たないような、「高性能なCPU」「ハイスペックなメモリー」「大容量のハードディスク」なんてよっぽどヘビーな「ゲーマー」でない限り要りませんし、今どきゲームなんて人によっては「時間の無駄遣い」以外の何者でもないと考えるでしょう。そういう人にとっては400psオーバーに8速AT、高性能サスを装備した「高級車」なんて時間では無く「お金の無駄遣い」に思えるわけです。オーナーの皆様には大変に恐縮ですが、「レクサス、メルセデス」=「ゲーマー専用機」wwwという意見はなるほどと思ってしまいました。
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2014年3月24日月曜日
マツダ・デミオ スポルト 「マツダはロードスターだけではない!」
日本メーカーでは珍しく「乗り味」を重視すると言われるマツダ。実際は・・・特には特殊な構造をしているわけではないです。世界的なハンドリングマシン「ロードスター」は確かに基本設計からして「個性的」で、お手頃な価格ということもあり「日本車史上」に残る傑作車。これはあくまで「スポーツカー」としてマツダが理想を追求した結果であって、これ以外の普通車ラインナップには大した仕掛けはないです。
最近では「法定装備」が増えてしまって、ロードスターでも公道車である以上は結構な重量になってしまいます。これにはマツダの開発者も相当に頭を悩ませているようで、次期NDロードスターはエンジンをダウンサイジングして、軽量化を目指さざるを得なくなったとか。マツダの乗り味の良さは「軽さ」に支えられていたわけで、現状ではどんどんとマツダにとっては悪い方向へとか設計環境は進んでいるわけです。
そうなってくると俄然盛り上がってくるのが、マツダの最軽量普通車モデル「デミオ
」。ジュネーブモーターショーで発表された次期モデルのコンセプトもかなり注目を集めていましたが、マツダも「デミオ」のクラスに大きな将来性を感じている様子です。現行デミオにも「スポルト」というロードスターよりも100kg軽いスポーティなモデルがありまして、マツダを「ハンドリング」のブランドと割り切るならば、ロードスターとともに「2トップ」を形成する秘蔵っ子です。
1.3Lのデミオと同じ車重に抑えられていながら、1.5L(113ps)の「ZY-VW」というエンジンは、スズキの小型車向け(K12B)のようなスクエア(ボアとストロークがほぼ同じ長さ)型が特徴で、日本の小型車向けエンジンとしてはかなりスポーティに噴け上がります。VWやプジョーの湿気た1.2L(基本的にやる気がない)とは違って、小型車で勝負しようというメーカーのプライドがそこにはあります。
ちょっと横道それますが、マツダとスズキは小型車エンジンにやたらと手を加えるのが好きなブランドで、ガソリンエンジン車の燃費の頂点を狙えるのはこの2社とホンダに限られているのが現状です。豊富な予算でアトキンソンサイクル化を進め熱効率を重視するホンダ。既存技術の組み合わせ、特にインジェクター(燃料噴射装置)の改良で「燃焼効率」を重視する2社。マツダは「直噴」でスズキは「ツインインジェクター」。かつてフェラーリ288GTで実用化された技術が現行スイフト(ガソリン車燃費でフィット越え!)に使われています。
現在の欧州ではA/Bセグが熱いわけですが、マツダもスズキもその中心的なブランドを形成しています。何よりデミオの技術を使った「フォード」とスイフトの技術を使った「オペル(GM)」がEU各国で覇権をめぐって争っているわけで、代理戦争のはずが全欧州を巻き込む大決戦になっています。つまりBMWやメルセデスにもクソみたいなパクリ車を生んだ「ロードスター」よりも、「デミオ」の方が欧州のさらに深いところにまで達していると言えるのでは?
いよいよフォード版デミオの「フィエスタ」が日本でも発売されますが、欧州誌のハンドリング評価では「A45AMG」に完勝(相手はAWDなのだから当たり前だが・・・)など前評判は上々なようですが、そもそもデミオ・スポルトの実力だって相当に高い!デミオとフィエスタおよそ50万円の価格差はデザイン等を考えても不当なレベルじゃないですか・・・。
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2014年3月17日月曜日
日産・ジュークターボ 「モリゾー社長を最も刺激した一台はこれでは?」
最近の新型車を見ているとトヨタ・日産・ホンダ・マツダ・スバル・スズキ・三菱・ダイハツ・・・みんな同じ方向を向いているようですね。自動車で喰ってきた人々は結局は皆同じようなことを考えるようになるのかな。どのメーカーも「遊び心」があるクルマをせっせと作るようになってきました。最近じゃ「遊び心」の押し売りみたいになってきて、生活の足として街中をウロウロするだけのお年寄りがジュークにちょこんと乗っている。いや全然変じゃないですよ・・・いいと思います。
その内にスズキ・ハスラーを乗り回すお年寄りが、日本中で車中泊を繰り返すようになるのでしょうか? そういえばRCZやシロッコに乗っているのは高齢者が多いような気がします。自動車メーカーが考える「遊び心」って結局は高齢者を主に捉えていますね。私も痛いほどに身に覚えがあるのですが、若い人間ほど「虚勢」を張りたがるわけで、メルセデスCLにあこがれつつ中古のセルシオに乗りたがる・・・。
そんな「遊び心」の先駆者的存在なのが日産ジュークですかね。このクルマの2010年のデビューを皮切りに日本メーカー全体がガラガラと変わってきましたね。マツダなんかがその後は注目されましたけど、どうやらこの頃に最も積極的に社内を改革し、震災が起こっても優秀なスタッフに支えられていち早く生産体制と整えるなど、日産の自動車製造業としての姿勢は他のメーカーを大きく凌いでいたようです。
この日産の動きに呼応・追従して各社ともに経営陣の交代が行われて、「遊び心」だとか言い出し始め、さすがというべきかホンダもマツダもスバルもなかなか骨太なヴィジョンを掲げて見事に復活しました。出すクルマが次々にヒットする100発100中状態がいつまで続くかわかりませんが、2000年代の終わり頃には「ヒュンダイにまとめて抜かされる」と揶揄されていた日本の自動車メーカーは目下のところグローバルでも絶好調です。
日産はこのジュークの成功で2年ほど前から欧州とロシアでのシェアを押し上げました。「個性的な外装」と「センスある内装」指先にまで神経が行き届いている感覚が日本の大衆車にはこれまで無かったポイントなのかなと思います。「遊び心」という言葉が安易に使われますが、ジュークが見せたような「コンセプト」への飽くなき執念をどこまで妥協無く貫き通すか?というクラフトマンシップの限界に挑む「厳しい世界」なんだということが解ります。
今後、この原則を履き違えた「くだらない遊び心」のクルマが登場するかもしれないですが、そんな愚かなメーカー第一号はどこになるのでしょうか?
↓ジュークの兄弟車が日本上陸!「遊び心」コンセプト・・・完璧です。
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その内にスズキ・ハスラーを乗り回すお年寄りが、日本中で車中泊を繰り返すようになるのでしょうか? そういえばRCZやシロッコに乗っているのは高齢者が多いような気がします。自動車メーカーが考える「遊び心」って結局は高齢者を主に捉えていますね。私も痛いほどに身に覚えがあるのですが、若い人間ほど「虚勢」を張りたがるわけで、メルセデスCLにあこがれつつ中古のセルシオに乗りたがる・・・。
そんな「遊び心」の先駆者的存在なのが日産ジュークですかね。このクルマの2010年のデビューを皮切りに日本メーカー全体がガラガラと変わってきましたね。マツダなんかがその後は注目されましたけど、どうやらこの頃に最も積極的に社内を改革し、震災が起こっても優秀なスタッフに支えられていち早く生産体制と整えるなど、日産の自動車製造業としての姿勢は他のメーカーを大きく凌いでいたようです。
この日産の動きに呼応・追従して各社ともに経営陣の交代が行われて、「遊び心」だとか言い出し始め、さすがというべきかホンダもマツダもスバルもなかなか骨太なヴィジョンを掲げて見事に復活しました。出すクルマが次々にヒットする100発100中状態がいつまで続くかわかりませんが、2000年代の終わり頃には「ヒュンダイにまとめて抜かされる」と揶揄されていた日本の自動車メーカーは目下のところグローバルでも絶好調です。
日産はこのジュークの成功で2年ほど前から欧州とロシアでのシェアを押し上げました。「個性的な外装」と「センスある内装」指先にまで神経が行き届いている感覚が日本の大衆車にはこれまで無かったポイントなのかなと思います。「遊び心」という言葉が安易に使われますが、ジュークが見せたような「コンセプト」への飽くなき執念をどこまで妥協無く貫き通すか?というクラフトマンシップの限界に挑む「厳しい世界」なんだということが解ります。
今後、この原則を履き違えた「くだらない遊び心」のクルマが登場するかもしれないですが、そんな愚かなメーカー第一号はどこになるのでしょうか?
↓ジュークの兄弟車が日本上陸!「遊び心」コンセプト・・・完璧です。
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