最近では「法定装備」が増えてしまって、ロードスターでも公道車である以上は結構な重量になってしまいます。これにはマツダの開発者も相当に頭を悩ませているようで、次期NDロードスターはエンジンをダウンサイジングして、軽量化を目指さざるを得なくなったとか。マツダの乗り味の良さは「軽さ」に支えられていたわけで、現状ではどんどんとマツダにとっては悪い方向へとか設計環境は進んでいるわけです。
そうなってくると俄然盛り上がってくるのが、マツダの最軽量普通車モデル「デミオ
」。ジュネーブモーターショーで発表された次期モデルのコンセプトもかなり注目を集めていましたが、マツダも「デミオ」のクラスに大きな将来性を感じている様子です。現行デミオにも「スポルト」というロードスターよりも100kg軽いスポーティなモデルがありまして、マツダを「ハンドリング」のブランドと割り切るならば、ロードスターとともに「2トップ」を形成する秘蔵っ子です。
1.3Lのデミオと同じ車重に抑えられていながら、1.5L(113ps)の「ZY-VW」というエンジンは、スズキの小型車向け(K12B)のようなスクエア(ボアとストロークがほぼ同じ長さ)型が特徴で、日本の小型車向けエンジンとしてはかなりスポーティに噴け上がります。VWやプジョーの湿気た1.2L(基本的にやる気がない)とは違って、小型車で勝負しようというメーカーのプライドがそこにはあります。
ちょっと横道それますが、マツダとスズキは小型車エンジンにやたらと手を加えるのが好きなブランドで、ガソリンエンジン車の燃費の頂点を狙えるのはこの2社とホンダに限られているのが現状です。豊富な予算でアトキンソンサイクル化を進め熱効率を重視するホンダ。既存技術の組み合わせ、特にインジェクター(燃料噴射装置)の改良で「燃焼効率」を重視する2社。マツダは「直噴」でスズキは「ツインインジェクター」。かつてフェラーリ288GTで実用化された技術が現行スイフト(ガソリン車燃費でフィット越え!)に使われています。
現在の欧州ではA/Bセグが熱いわけですが、マツダもスズキもその中心的なブランドを形成しています。何よりデミオの技術を使った「フォード」とスイフトの技術を使った「オペル(GM)」がEU各国で覇権をめぐって争っているわけで、代理戦争のはずが全欧州を巻き込む大決戦になっています。つまりBMWやメルセデスにもクソみたいなパクリ車を生んだ「ロードスター」よりも、「デミオ」の方が欧州のさらに深いところにまで達していると言えるのでは?
いよいよフォード版デミオの「フィエスタ」が日本でも発売されますが、欧州誌のハンドリング評価では「A45AMG」に完勝(相手はAWDなのだから当たり前だが・・・)など前評判は上々なようですが、そもそもデミオ・スポルトの実力だって相当に高い!デミオとフィエスタおよそ50万円の価格差はデザイン等を考えても不当なレベルじゃないですか・・・。
「最新投稿まとめブログ」へのリンク
「最新投稿まとめブログ」へのリンク