日本で販売されるトヨタブランド車は、トヨタ傘下のさまざまなメーカーがコラボして企画されたクルマが雑多に含まれていて、その価格設定もよくよく見ると不整合な点がいくつも出てくる。簡単に言うと、「お買い得なクルマ」と「絶対に買ってはいけないクルマ」がごちゃ混ぜになっているから、よく調べて買ったほうがいいということだ。
「どうすればお買い得なクルマが選べるのか?」最も端的にトヨタブランドの特徴を表すとすれば、「一番高価なマジェスタが一番お買い得で、一番安価なパッソが一番損をする」となるかもしれない。マジェスタはお買い得すぎてとうとうラインナップ落ちしてしまったようだ(まだ在庫車があると思うが)。600万円台でV8搭載&エアサス装備なんて夢のクルマだ。中古車はレクサスLSもだぶついているおかげで、さらにバーゲン価格になっているし、トヨタのV8は10万キロ走ってからが本領発揮という超絶クオリティの優良エンジンと言われ、30万キロを余裕で走ると専らの評判だ。
マジェスタ以外ではどれががお買い得かと言うと、やはり北米でやたらと売れている「カムリ」と「RAV4」がコストパフォーマンスが非常に高く、全く損をしないクルマと言える。ただこの2台は極端な北米との価格差を抑えているので、トヨタとしては「旨味」が少なく日本であまりたくさん売れてほしくないような素振りも見え隠れする。カムリHVより「SAI」という高級ハイブリッドモデルの方をたくさん売りたいし、さらに高級なレクサス「HS」を売りたいと考えるのは当然だが、クルマの実力が価格にまったく比例していないので、北米では「SAI」は売られていないし、レクサス「HS」も撤退を余儀なくされた。
トヨタの北米販売モデルとしては、かの地で幾度となく物議を醸しているプリウスに加え、アクアとヴィッツがある。この3台はカムリHVと違い、いずれも日本価格が北米価格を下回る「戦略価格設定」なので、ここ数年は日本での普通車販売TOP10の常連になっている(もちろんトヨタの宣伝力とエコカーブームの賜物だが・・・)。カムリHVは北米ベストセラーで、韓国COTYも獲得したトヨタのエース級の「スーパーセダン」なのだが、日本価格はやや高めなのが残念だ。
トヨタのもう一台の北米ベストセラーが「RAV4」だ。このクルマは北米が主戦場なのにも関わらず、日本価格の方が安く設定されていて、トヨタブランドの「ワールドクラス」のクルマの中で実は一番のお買い得車だったりする。いくら日本市場でマツダ「CX-5」とスバル「フォレスター」が頂上決戦を繰り広げようが、北米ではどちらも「RAV4」の足元にも及ばない。確かにライバルのホンダ「CR-V」に販売面では上に行かれているが、CR-Vは日本市場では低スペックな2Lの日本専用モデルがやたらと高価格に設定されているので、お買い得感はまったくない。
日本でも様々なSUVが売られているが、国産もドイツ車もデザインはどれも似たり寄ったりで、どのクルマも「洗練」という言葉はまったく当てはまらないレベルだ。性能面でもスバルの4WDだのマツダのディーゼルだのそれなりに個性はあるが、「直4の2.4Lで200万円」という直球勝負のトヨタRAV4の個性が一番際立っているように思う(トヨタは日本では勝負してないようだが・・・)。日本のユーザーがSUVに求める要素は、コンパクト・ミニバン・セダンを避けつつも、「居住性」を追求する点にあるようだ。居住性に関して世界でもっとも権威がある大衆ブランドといえば、間違いなく「トヨタ」なわけで、ミドルサイズSUVに関してはRAV4の「一択」という結論でいいのではという気がする。それでも日本では売れない・・・。
↓イヴォーグとかいう、狭っ苦しくて、安っぽいプレミアム感全開のSUVの何がいいのか?まったく理解できません。
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